300: おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2011/08/20(土) 13:15:30.32 ID:2/RTcoGw
JRの駅前駐輪場で、20くらいの大学生(?)がおばちゃんに怒鳴り散らしていた。
どうやら、おばちゃんが自分の自転車を出すときに、駐輪中の大学生の自転車を
間違って押し倒してしまったらしい。ちょっとした人だかりができてた。
「おばちゃん、この自転車いくらすると思うの!?」
「おばちゃんのママチャリ3~4台買える値段なんだぞ!」
「傷ついてたらどうするわけ!?あんた今、弁償してくれる!?」
すいません、すいませんと何度も頭をさげるおばちゃん。
そのとき、人だかりの輪の中にひとりの男が入ってきた。
穴あきヘルメットにピタピタのレーサーパンツ、派手な柄のジャージで、いかにも自転車乗りといった服装。
その自転車乗りは、大学生のすぐそばの街路樹にたてかけてあったロードバイクの
ワイヤー錠のロックをはずすと、いきなりそのロードバイクをひょいと、軽々と頭の上に持ち上げ、
そして、そのまま地面にガシャン!と落とした。
何が起こったか。 呆然とする大学生とおばちゃんと、俺含む野次馬。
ロード乗りは叩き落した自分の自転車を起こしながら大学生に言った。
「これ、サーベロのフルカーボン、コンポはデュラエース。 きみのその、ルイガノTRX3が20台は買える。」
そう言ってロード乗りは車道に出てロードをまたぎ(カチッという加速装置のような音がしたかと思うと)
風を切るように走り出した。
大学生は顔を真っ赤にして、自転車(ルイガノ?)を手押ししながら
無言で人だかりを押しのけるようにして去っていった。
ロード乗り、かっけー。
既にはるか遠くなったレーパンのプリケツを見つめながら、俺はそう思った。
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